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薬工房コバヤシ

こころの病と漢方

せせらぎ

明日への一歩!

私達の生涯を春夏秋冬など様々なものに例えられています。
私は人生を“川の流れ”と捉えています、ひとしずくの雨露から始まり 川となり長くもあり 短くもある 人生の始まりです。
これを釈迦は“煩悩の世界”に生み落されたと説いています。

穏やかな木漏れ日の中を流れているときは良いのですがひとたび、嵐とともに奈落の底に突き落とされたり 大きな岩にぶちあたり、波がくだけます。 

波はくだけますが、基の道へ戻る修正能力(こころの免疫力)を私達は持っています。

ただし、人それぞれ川の長さや流れの違いがあることを認めざるを得ません。
すべてを受け入れる大河にたどり着くまでには滝に遭遇したり、幾つもの大小の岩などと出会うのも人生の旅路の“明日への一歩”と受け取りたいものです。


メンタル疾患と漢方

まじめで神経質・頑固の人、プライドの高い人などがストレス、孤独、過労、人との別離、更年期、自律神経失調などが心理的誘因、要因となりかかりやすいメンタル疾患です。

また、優しさや純真のうえ真っ直ぐに一生懸命に活きようとしすぎ、応えられない自分に嫌気を感じ躁・うつや双極性障害などにおちいります。

言葉で表すほど簡単ではないのですが、良いも悪いも丸ごと自分、個性と受け入れて欲しいと思います。また、身近な人も寄り添い、見守って行く必要があります。

現在、メンタル疾患にかかる人は30%前後みえるというデーターがあります。
メンタル疾患はうつ病やパニック障害を始め20項目近くに分類されていますがはっきりした原因は解明されていませんが脳の神経細胞が影響していると言われています。

特に脳内のセロトニンが注目されています。
現代社会ではストレスから逃げられない社会となりました。逃げられなければどのように対応したらよいのでしょうか。ストレス回避が不可能だとすれば、ストレス解消するか、ストレスに強いこころと身体を作らなければなりません。

ティータイム私事ですが大事にしている三つの「間」があります。
「空間」「時間」「仲間」です。

「空間」趣味(好きな事)などで頭を空にすることです。般若心経のむずかしい「空の世界」ではなくても単純に「からっぽ」です。

私は水泳、油彩画、ゴルフのひとときが集中でき何も考えずに、ただ、頭(こころ)の中を「空っぽ」にできる楽しく安らげる時間です。

ちなみに技量は上、中、下でいえば残念ながらいずれも下の部類です。

「時間」悲しい・苦しい物事に出会いこころが傷つき痛手が起きても私達の身体の中にある免疫力と同じようにこころにも免疫力があり傷ついたこころを必ず癒し、自分を取り戻してくれます。

焦らずに時間が解決してくれるものも多くあります「時」を待つことも大事なひとつです。焦ってあれこれに頼ったり、イライラしても解決につながることは少ないと思います。

「仲間」言葉のとおりで、話し相手、相談出来る仲間。友です。ただし、相手がいる事ですから一番むずかしい事ですが、信頼しお話が出来る人をつくる事が大事です。
または、身近な人に悩みを打ち明ける勇気も大事です。

*日常生活に影響を起こしてしまう状態や自殺、暴力に発展する可能性などが考えられる時は、精神科医、心療内科、臨床心理療法士、カウンセラーを選択されるのも一つの手段です。


■メンタル疾患と中医学

中医学では脳の機能は心(しん)、肝、腎の機能に分けられますが連携なしではあり得ません。
「心」(しん)とは心臓の拍動による血液の循環と大脳新皮質(前頭葉など)を中心とする高次神経の機能を含みます。

大脳新皮質は下等生物は小さく、人類が一番大きい生物です。人としての生き方が出来る大事なところです。でも、大脳新皮質はこころを煩わしたり、覚醒剤などの依存の問題を起こすやっかいなところと言えます。

高次神経機能に相当する機能系を「神」(しん)と言い、「心は神を主る」とされています。「神」は意識や思考・判断などを主ります。
ストレスや過労などのなにがしかの影響を長期に受け、心の「興奮・抑制」が維持できなくなると、うつや躁・不眠、怒りなどの誘因となります。

現代病とも言える神経性の下痢(過敏性大腸炎など)は、ストレスなどによる肝気の乱れが「脾」に影響した消化機能異常で「肝」の立て直しが重要です。

「肝」は精神情緒の安定、自律神経系の機能調節に深く関わっています。もちろん、肝臓における代謝や解毒機能、胆汁の分泌と排泄も含まれています。

代表処方:帰脾湯、加味帰脾湯、逍遥散、加味逍遥散、四逆散、抑肝散加陳皮半夏、半夏厚朴湯、香蘇散など

やすらぎ

不眠と漢方

睡眠には深い眠り(脳の眠り)ノンレム睡眠
浅い眠り(身体の眠り)レム睡眠があります。


■ノンレム睡眠
  ・入眠直後に現れる
  ・夢はほとんど見ない
  ・身体を支える筋肉は働いている
  ・眠りが深くなるに従って、呼吸回数・脈拍が少なくなります
居眠りはほとんどノンレム睡眠で、空いた時間にほんの少し居眠りするだけでも脳の休息になります。
※居眠りは15~20分が最適で1~2時間にもなるとだるさが残ります

■レム睡眠
  ・眼球がキョロキョロ動く
  ・身体の力が完全に抜けている
  ・呼吸や脈拍が不規則である
  ・夢をみやすい
ウトウトした眠りでも身体の疲れを取る事は出来ます。
※アルコールに頼った睡眠は深い睡眠(ノンレム睡眠)は睡眠直後の2~3時間で後は浅い睡眠(レム睡眠)となり、脳の休息が不足しスッキリとした目覚めが望めません。

■不眠の分類
  ・寝つきが悪い(入眠困難)
  ・睡眠中に覚醒しやすい(中途覚醒)
  ・覚醒した後で再び眠れなくなる
  ・朝早く目覚めてしまう(早朝覚醒)
  ・一晩中眠れなくなる
人それぞれ違いがあり、上記の症状が一つでなく組合わさって一晩中寝たり目覚めたりして苦しめられる方もみえます。

■快適な睡眠と漢方

睡眠は心(しん)の神(しん)が主る。したがって神が安らかであれば安定した眠りが得られます。
神が主るからメンタル疾患の人に不眠を訴える方が多くなってしまう理由です。
現代医学では睡眠導入剤を使います。漢方医学では睡眠ひとつをとっても大変複雑と言えます。
睡眠も実証と虚証、虚実夾雑に分けられます。


実証(邪気が盛んな状態です)
  ●過労やストレスなどにより「心」、「肝」に熱をもち、炎上(火邪)を起こす。
   ・不眠の症状
   ・イライラし怒りやすい
   ・口渇して水を飲みたがる
   ・眼が赤い
   ・口が苦い、口が粘つく
   ・小便に色がつき濃い、便秘する 
   ※代表薬方:竜胆泻肝湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、黄連解毒湯、三黄瀉心湯など

  ●ストレスなどによる過食が積み重なり湿が停滞し痰を生じ、長期になると痰熱が生じる。
   ・不眠の症状
   ・頭重、めまい
   ・痰が多い、胸苦しい
   ・げっぷ、胃酸がこみ上げてくる、悪心
   ・口が苦い、口が粘る
   ・イライラ、驚きやすい
   ※代表薬方:温胆湯、加味温胆湯、柴胡加竜骨牡蛎湯など


虚証(心・肝・腎を濡養出来ない状態)
  *腎の津液が不足すると心肝を濡養できず虚熱をおびます。
   ・不眠の症状
   ・心悸不安、健忘
   ・耳鳴り、めまい
   ・腰が重だるい
   ・手掌と足底の熱感
   ※代表薬方:黄連阿膠湯、天王補心丸、知柏地黄丸など 

  ●心は血脈、脾は新鮮な血・津液を生む源です。心脾が充分な働きが出来ないと神を濡養出来なくなります。
   ・夢が多く目覚めやすい
   ・健忘や心悸不安、元気がない
   ・飲食に味がない
   ・顔色に艶がない
   ・やる気がわかない
   ※代表薬方:帰脾湯、加味帰脾湯、酸棗仁湯、炙甘草湯、生脈散など

 ●病後にほてりなどがあり眠れない、気血の不足が多い
   ・身体がやせてやつれる
   ・疲労しやすい
   ・顔のつやが悪く元気が出ない
   ・食欲がない
   ※代表薬方:帰脾湯、桂枝加竜骨牡蛎湯、黄連阿膠湯、生脈散など

当店からのお願い

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