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子宮がんと漢方

子宮がん

主婦子宮に発生する「がん」を総称して「子宮がん」と日本では呼ばれています。

子宮がんは子宮の入り口の部分の子宮頸部(けいぶ)に出来る「子宮頸がん」と、子宮内膜の部分に出来る「子宮体がん」(子宮内膜がん)とに分けられます。

子宮内膜の外側には、筋肉の層があり、これが、がん化した場合は「子宮肉腫」となります。また、子宮体部に出来る子宮筋腫は良性の腫瘍です。

「子宮頸がん」と「子宮体がん」の発生原因や発生する部位、好発年代、進行や診断、治療、予後において異なり全く別の病気です。 

子宮頸がん

子宮頸がんは組織型(病理組織学的)には、扁平上皮が異常増殖する「扁平上皮がん」と頸部の腺細胞が増殖する「線がん」に分類され、8対2の割合です。線がんのほうが予後は不良です。

子宮頸がんで明確になっていることは、性交渉の経験していない子宮頸がん患者はこれまで一人もいないと言うことです。したがって、性交渉による何らかの感染がきっかけになっていることは間違いないと言われています。

性交渉による感染と言われていますが、一度でも性交渉の経験のある女性であれば、その回数、期間、人数にかかわらず誰でも感染の可能性があります。

また、子宮頸がん患者からヒト・パピローマウイルス(human papilloma virus:HPV)というウイルスが約90%の女性から検出されていることが明らかになっています。
子宮断面図このヒト・パピローマウイルス(HPV)に感染しても多くの場合は、その人の「免疫力」によってウイルスが体内から消失しますが、消失せずに感染が長期化(持続感染)することがあり、子宮頸部の正常細胞にHPVが感染した状態の細胞を「異型細胞」と呼び、異型細胞の集合体を「異形成」といいます。

「異形成」になっても多くは、やがてウイルスが消失し、元の正常な状態に戻ります。

しかし中には細胞の変化が強まり、がん細胞に変化することがあります。 子宮頸部異形成が、がん化する確率はせいぜい5~10%と推定されています。異形成は段階的に軽度、中程度、高度と分類されます。

子宮頸がんとは誰でも感染するヒト・パピローマウイルス(HPV)の感染が消失せずに子宮頸部異形成が長期化したときに起る病気です。

「異形成(前がん状態)」とは正常細胞にもどる可能性が十分ありますが同時にがん細胞になる可能性もある不安定な状態と考えて下さい。

ヒト・パピローマウイルス(HPV)には100種類以上のタイプがあり、がん化する確率が高いハイリスクHPVとがん化する可能性はほとんどないローリスクHPVに2分されています。

 ・ハイリスクHPV:16と18型を主とした13~15種類

 ・ローリスクHPV:6と11型など、主に尖圭コンジローマやイボの原因となる。


ハイリスクHPVが感染した異形成であっても、HPVの感染だけではがん化しません。がん化するにはハイリスクHPV感染の他に、もう一つ以上の因子(遺伝子への刺激)が必要と言われています。

最も危険な因子は喫煙で、その他、経口避妊薬の使用、本人にとって大きな「ストレス」も免疫力低下となり二次刺激となり得ます。

生活習慣、基礎体温管理が大事です。東洋医学では免疫力アップに生体の陰陽バランスを整えていくことをお勧めします。

■子宮頸がんの症状

子宮頸がんは初期の頃は全く自覚症状がないことがほとんどです。
もし、以下のような症状が見られたら、異常がある可能性があります、必ず産婦人科を受診して下さい。
  ・性行為の際の出血。
  ・月経時以外に出血がある。
  ・茶褐色、黒褐色などの普段と違うおりもの増加。(おりものに血が混じることもある)
  ・月経の量の増加、長引く。
  ・排泄障害(頻尿、排尿排泄の困難)
  ・下腹部や腰の痛み。

■子宮頸がん検診について
婦人科系のがんのなかで発生頻度の高いのは子宮がんになります。子宮がんの中でも子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんの順になります。

人間ドックなどの「子宮がん検診」というと「子宮頸がん検診」です。子宮頸がんは20歳後半から40歳前後まで増加します。近年では若年層で増加傾向にあります。初期の子宮頸がんは全く症状がないのが普通です。

婦人科の症状がなくても30歳頃から(結婚していたら25歳からでも)検診を受けることをお勧めいたします。

■細胞診
一般的な検診で行う検査です。綿棒やヘラ、ブラシのようなもので子宮頸部及び頸管内の細胞をこすって採取し検査します。(子宮頸部擦過細胞診)

子宮頸部細胞診の扁平上皮系

ベセスダ分類

結果

クラス分類

NILM

異常なし

クラスⅠ
クラスⅡ

ASC-US

軽度病変の疑い

クラスⅡ
クラスⅢa

ASC-H

高度病変の疑い

クラスⅢa
クラスⅢb

LSIL

HPV感染
軽度異形成

クラスⅢa

HSIL

中等度異形成
高度異形成
上皮内がん

クラスⅢa
クラスⅢb
クラスⅣ

SCC

扁平上皮がん

クラスⅤ


上記表は細胞診のクラス分類またはベセスダ分類(新分類)で、あくまで個々の細胞の異常度を示したもので、がんの進行度の病期(ステージ)ではありません。

細胞診の結果クラスⅢa以上の場合は精密検査を行います。クラスⅢaは経過観察になります、定期的な検査が必要です指示に従い検査をしていきましょう。

例えばクラスⅢbであっても異型化から、がんに変わる可能性があるというレベルで、膣拡大鏡検査やがんの疑いがある部分を切除して検査をする組織診まで行わないと、クラスⅣやクラスⅤでもがんと断定できません。

■HPV(ヒト・パピローマウイルス)検査
HPV検査は子宮頸癌の原因であるハイリスク型HPV感染の有無を判定する検査です。細胞診と同様に子宮頸部から採取した細胞を用い、HPV感染を判定する検査法。

30歳以上では10%弱がHPV陽性の可能性があるようです。HPV検査による癌または前癌病変の発見率は約95%とされています。細胞診とHPV検査を併用した場合、癌または前癌病変の発見率はほぼ100%といわれてます。

■組織診
疑わしい部分から組織を取り、標本をつくって顕微鏡で診断する方法です。何回か組織診を行うこともあります。(細胞診はがん細胞の疑い、有無。組織診はがん自体の有無を調べる検査です)
ときには、「円錐切除術」と呼ばれる方法で組織診を行うこともあります。

■子宮頸がんの治療
子宮頸がんには、外科療法(レーザー治療や外科手術など)、放射線療法、抗ガン剤による化学療法が挙げられます。病期(ステージ)によって選択肢があります。メリット・デメリットがあります、しっかりと説明を聞き納得の上で治療に当たりましょう。

もし、子宮頸がんであっても病期(ステージ)早期の0期とⅠa期の一部の手術(円錐切除術)でも妊娠、出産が十分可能です。それには検診などによる早期発見が大切になります。
また、漢方療法も併せて考えられたらいいでしょう。

子宮体がん(子宮内膜がん)

女性の毎月の生理機能は子宮の内側の膜「子宮内膜」が妊娠しなければはがれ落ちて外に出血として出てきます、これが生理(月経)です。

「子宮体がん」は、その子宮内膜の細胞が異常増殖する状態の病気で、「子宮内膜がん」が正式な病名です。子宮内膜が、がん化するには数ヶ月以上かかると言われています。

すなわち、毎月規則正しく月経が認められる女性は、がん化しつつある子宮内膜がはがれ落ちてしまうため、子宮内膜がんになるリスクは大変少ないと言えます。

個人差がありますが、45歳前後以降の女性では、生理が定期的にあっても子宮内膜が完全にはがれずに一部残っているところががん化してしまう場合があります。月経が終了した後、数日間少量の出血が認められるようでしたら注意が必要です。

5~6日で出血が消失する切れの良い月経周期があることが大切です。
月経期が長引く、血塊(赤黒い塊)が混在するなど気になるときは漢方医学では月経期に活血化オ剤などにより子宮内膜の排泄、再生を促進することが出来ます。

■子宮体がんのリスク要因

子宮体がんの発生要因に関するものは、閉経前後からの女性や妊娠、出産の経験がない、または少ない女性・動物性脂肪を好む肥満体質で糖尿病、高血圧症の方・遅い閉経年齢(53歳以上)などが挙げられます。


閉経前の女性で、排卵障害などの何らかの原因により生理の回数が少ないとプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が減少し、エストロゲン(卵胞ホルモン)が単独で分泌される期間が続き、子宮内膜が過剰に増殖し(子宮内膜増殖)子宮体がんのリスクが高くなると考えられています。

子宮体がんはエストロゲンが深く関与するタイプと無関係のタイプがあります。また、これらが当てはまる女性は乳がんの発生率も高くなることが判っています。



■子宮体がんの症状
  ・子宮頸がんの症状と同様です、子宮頸がんの症状を参照して下さい。
  ・閉経後に少量ずつ長く続く出血がある。

■子宮体がん(子宮内膜がん)の検診
一般に子宮がん検診と言えば「子宮頸がん検診」です。「子宮体がん検診」は子宮頸がんのように簡単に、また確実には検診(診断の為の検査とは違います)が出来ないところがあります。

子宮体がん検査は子宮内の全内膜の検査が必要で発見しにくいようです。また、未出産者、高齢者の方は子宮の入り口の子宮頸管部分が萎縮などにより狭くなっている方が多く、他の方より痛み、出血が激しくなり負担となります。検査としての精度と患者さんにかかる負担が欠点で一般的でないからです。


●子宮内膜細胞診

子宮頸がん検診同様、器具(ブラシ様)で子宮内膜の細胞を採取し、顕微鏡で検査してがん細胞の有無を調べます。異常な所があれば別ですが子宮内膜全体は検査できず部分的な検査になってしまいます。


●子宮内膜組織診
細胞診で異常があったときは、細胞診だけでは確定診断できない場合があるので組織検査をします。悪性か正常かの鑑別に重要な検査です。
病巣が確認できない場合は子宮内膜全部を採取する子宮内膜全面掻爬(そうは)し検査します。


●経膣超音波検査
子宮体がんになると子宮内膜が増殖(内膜が厚くなる)します、その増殖の検査です。検査の方法としては有用ですが、閉経前では判断が難しいことや初期症状は見逃されることがあるなどの問題点があります。しかし、経膣超音波検査は子宮内膜症、卵巣がん、卵管がんも診断可能です。


●腫瘍マーカー検査
腫瘍マーカーは、がん細胞がつくりだすタンパクで、がんの種類によりマーカーも異なります。血液検査ででき、かなり信頼できます。ただし、がん以外でも反応することがあり十分な説明を聞くことが大切です。陽性(悪性の疑い)の場合は細胞診、組織診が必要です。

参考に腫瘍マーカーCA125、CA130、CA19-9、CA15-3などがあり卵巣がんも同時検査できるものがあり検査機関で相談されると良いでしょう。実費診療になります。
今は自宅にて検査できるものもありますが健康診断時にオプションで申し込んだ方が料金は安価と思います。(検査項目、検査機関により料金に違いがあります。1500円ぐらい~)


●子宮体がんの治療
子宮体がんの治療は外科手術が主体になります。手術によりがん部分を取り除くと同時に病気の広がりを正確に判断し、放射線治療や化学療法、ホルモン療法などの追加の必要性の判断をします。

若い女性のごく早期(病期0期もしくはⅠ期)の子宮体がんでは、妊娠の可能性を残す目的でがんの病巣を含む子宮内膜を全面掻爬する治療とホルモン療法を組み合わせて行う方法もあります。


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